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「豊かさ」って、お金だけじゃない。〜ペイ・フォワードの精神に学ぶ、本当の幸せのカタチ〜

 まもなく、新年度が始まります。


 胸に希望を抱いた新社会人や、期待に胸を膨らませた学生さんたちと、研修や講演会で

出会う季節がやってきました。


 同時に、この時期は毎年、「想像していたイメージと違った」「こんな会社だとは思わなかった」と、失意に沈む人たちのカウンセリングを行う機会も増えてきます。


「苦しみ」を抱えているのは、特別な人だけじゃない


 最近は、若い方だけでなく、どんな立場の人でも「苦しみ」を抱えている方が多いと

感じます。高齢者も若者も、富裕層も生活に余裕のない人も、男性も女性も、大人も子どもも、日本人も外国の方も。


「この苦しみから抜け出せない…」


「どうしてこんなに辛いのだろう…」


そんな思いを抱え、怒りをぶつけたり、諦めたりしてしまう人が増えているように

感じます。


その「苦しみ」には、きっと人それぞれの理由や背景があるのでしょう。

でも、どんなに状況が違っていても、多くの人が抱えている共通の感情があります。


それは、「心の空白」です。


 

「心の空白」は、誰にでもある


「誰かがそばにいないと不安…」

「どうせ私は独りぼっち…」

「誰も自分の気持ちをわかってくれない…」

「こんなに辛いのに、どうして伝わらないの…」


こんな思いに押しつぶされそうになることがあるかもしれません。


でも、そんな気持ちを抱いてしまうのは、決して「弱いから」でも「甘えているから」でもありません。


それは、「誰かの愛が欲しい」、「誰かにわかってほしい」という、ごく自然な気持ちです。


人はみんな、心のどこかに「空白」を抱えています。


それを埋めるために、誰かにしがみついたり、物で埋めようとしたりしてしまうのは、

「生きるために必死になっている証」なんです。


「受け渡す」ことで、心の空白が満たされる


映画『ペイ・フォワード』には、そんな「心の空白」を埋めるヒントが詰まっています。


物語の中で、少年トレヴァーは「誰かに親切にされたら、恩返しするんじゃなくて、

次の3人に親切をしよう」というアイデアを思いつきます。


この「ペイ・フォワード(恩送り)」の行動は、やがて人々の心を動かし、

「受け渡す喜び」が広がっていきました。


「受け渡す」ことで感じられるもの


「ありがとう」と伝えるだけでもいいんです。

誰かの話をじっくり聞くことも良いでしょう。

落ち込んでいる友達のそばで、ただ寄り添っていることも、「受け渡す」行為です。


自分が誰かのためにした行動が、「あぁ、自分にもできることがあったんだ」と

感じさせてくれる。そんな「小さな自信」が、少しずつ「心の空白」を

埋めてくれるのです。


「自分らしさ」を見つけることで、心が軽くなる


トレヴァーが行った「ペイ・フォワード」は、彼にとっての「自分らしさ」でもありました。「できないこと」ではなく、「自分にできること」に目を向けた瞬間、彼は「役に立っている自分」を感じ、心の豊かさを手にしたのです。


もし、「自分には何の価値もない…」と感じるなら、「小さなこと」から始めてみませんか?



 

「自分らしさ」を見つけるヒント


「ちょっとだけ得意なこと」を大切にする

→ 料理が得意なら、家族にふるまってみる。


「これならできるかも」と思える小さなことを探す

→ 誰かに「おはよう」と声をかける。


「何かをやってみた自分」をちゃんと認める

→「今日は勇気を出して話しかけた」と自分をほめる。


その小さな積み重ねが、「私って、これでいいんだ」と思える安心感につながります。


「あるもの」に気づくと、心が安らぐ


他者に依存してしまうとき、心の中では「足りないもの」ばかりに

目が向いてしまいがちです。


「もっと愛されたい」


「もっと理解してほしい」


「もっと大切にしてほしい」


そんな気持ちは、「あなたが本気で愛を求めている証」です。


だからこそ、まずは「すでに持っているもの」に目を向けることが、

心を穏やかにする第一歩です。


「幸せ」は、あなたの中にある


「もっとお金が欲しい…」


「もっと何かが足りない…」


そう感じるときこそ、立ち止まってみてください。


もしかしたら、本当の豊かさは、すでにあなたの中にあるのかもしれません。


「誰かに愛されなきゃ…」「誰かに認められなきゃ…」


そんな気持ちが止まらなくなったら、「あなたが誰かのために渡せるもの」を思い出してみてください。


あなたが今ここにいるだけで、誰かの世界は、確かに少し明るくなっているんです。


「幸せは、あなたの中にある」


そのことを、どうか忘れないでくださいね。



 

かつて、私がこの話をした新卒2年目の方々は、いま30歳を過ぎた頃でしょうか。

それぞれの人生の中で、「自分らしい幸せ」を見つけてくれていたら。


そう願わずにはいられません。

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