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ユングの残した言葉

──心の深みと神秘を探求した偉大な心理学者──


  人間と人生に潜む「神秘」を解き明かそうと生涯をかけた、カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung)。彼は単なる心理学者ではありませんでした。医学、宗教、神秘学、古代哲学、錬金術──さまざまな領域を越え、心の本質に迫ろうとした、まさに「神秘家」でした。

今回は、ユングの言葉をご紹介します。そこには、現代を生きる私たちにも深く響く

「内面への導き」が込められています。


 1875年、スイス・ケスビルに生まれたユング。

医師でありバーゼル大学の学長を務めた祖父、そしてプロテスタント牧師の父のもと、

知と信仰に囲まれて育ちました。

少年時代から彼は、自身の内面に強い関心を抱き、母の勧めで読んだゲーテの『ファウスト』に心を揺さぶられたと言います。


 バーゼル大学で医学を学び、やがて精神分析の巨匠フロイトと出会うも、無意識に対する考え方の違いから袂を分かちます。

フロイトが「無意識=抑圧された衝動」と見たのに対し、ユングは無意識を「人間の本質」と「魂の源泉」と考えたのです。


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ユングが残した言葉


「人間の心の大部分は、いまだ闇に包まれている。」

私たちが自覚している「自分」は、ほんの一部に過ぎない。

この言葉は、心の探求は決して終わることがないというユングからの静かな呼びかけです


「夢は、魂の最も奥深く、秘密の扉を開く鍵である。」

夢は単なる幻想ではありません。

無意識からのメッセージであり、自己を深く理解し、未来へと進むための道標となる──

ユングはそう考え、夢の象徴を大切に解釈しました。


「無意識は、意識を救済しようとしている。」

人生の危機、内面の混乱──そんなとき、無意識は「元型的な夢」を通じて、意識にヒントを送っている。ユングは、心の深層に秘められた自己治癒力を信じました。


「包括的な自己には、意識と無意識が共に含まれている。」

ユングが追求したのは、単なる自我(ego)の強化ではありません。

意識と無意識の統合=「自己(Self)」の実現──それこそが、真の内面の成長だと彼は

説きました。


最後の2つの言葉は、私に深く突き刺さります。


そして…ユングは晩年、チューリッヒ近郊の教会に静かに眠りました。

彼が生涯をかけて問い続けた「心の奥の神秘」は、今も私たちの内に息づいています。


忙しい日々の中で、ふと夢を思い出したとき、何気ない感情の揺れに気づいたとき、

ユングの言葉が私にこう…語りかけてきます。


「あなたの中を探しなさい。そこに宇宙のすべてが宿っている。」

 ──カール・グスタフ・ユング


心の成長過程は「個性化の過程」
心の成長過程は「個性化の過程」




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