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海洋ゴミへの危機感

国内での食用魚介類の自給率は年々減少しています。

ひとつの原因は漁師さんの高齢化による漁業従事者の減少

それに中国による海洋進出などが考えられますが


もう一つの要因は、農薬や化学肥料の海洋への流入があるでしょう。

海洋酸性度の上昇と、窒素やリン酸などの数値上昇は

多くの生態系へのダメージを与えています。


(海洋酸性度は産業革命後、26%上昇し2048年には食用可能な

 魚介類のほとんどが絶滅してしまうという研究発表もあります)


また近年注目を浴びている「海洋ゴミ」の問題ですが

2050年には海洋プラスチック量が全海洋魚の総量を超えると想定されています。


その現状に対して、危機感や問題意識を感じている方々もいらっしゃいます。

しかし多くの方々は意識もしていないのではないでしょうか?


先日、香川県に訪問した際に美しい砂浜があると聞いてお邪魔してきました。

海洋プラスチックを含む「海洋ゴミ」の現状も把握しておきたかったのです。


打ち寄せる波は透明で、どこまでも続く砂浜はキラキラと陽光を反射し

心地よい波音が、心を落ち着かせてくれます。


そんな海岸に目をやると、打ち上げられ、打ち捨てられたゴミが目につきます。

砂を手に取りよく見てみると判ります。ものすごい数のプラスチックです。


ビーカーに水を入れて砂を入れてみると、多くの浮遊物を目にすることができます。

細かなプラスチック片が浮かんでくるのです。




細かく砕かれたプラスチックゴミは、5ミリ以下のマイクロプラスチックへと

形を変えて、砂浜に混合されているのがわかります。


世界経済フォーラムの発表では、現在、海へ流入している海洋ごみは、

アジア諸国からの発生によるものが、全体の82%を占めるとしています。


日本はプラスチックの生産量で世界第3位です。

国内で年間に流通するレジ袋の枚数は、推定400億枚以上。

ペットボトルは国内年間出荷は227億本に達します。


日本人1人当たりの容器包装プラスチックごみの量で換算すると

世界第2位のプラスチック消費大国であるという現実は、

過剰包装に慣れきってしまった私たち一人一人の問題であると

教えてくれます。


近年、日本は年間150万トンものプラスチックくずを「資源」という位置づけで

アジア諸国に輸出していました。燃焼カロリーが高いプラスチックは、

わざとゴミ焼却の効率性を考えて燃やされる材料として扱われています。

それらによるCO2排出を私たちは意識せずに生産し、廃棄しています。


いま一度、私たちの価値観やライフスタイルそのものを意識変容する必要性を

強く感じた今回の視察でした。



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